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生産管理システム

1.製造業界の現状と生産管理システムの必要性

 敗戦後、日本が経済大国になる上で「ものづくり」が大きな役割を果たしたことに異論を唱える人はいないでしょう。それがバブルの崩壊、IT産業の発展に伴って陰り見せ始め、そしてサブプライム問題に端を発した2008年のリーマンショックによっていよいよ深刻な状況に陥っていると言えます。

 無論、リストラ、コスト削減等といったことが叫ばれているのは製造業に限った話ではありませんが、「作れば売れる」時代から「売れるものを作る」時代へと変遷し、生産者主体から消費者主体へとマーケットの構造が変わってきたことも、製造業の不況を語る上では重要な要素であると言えます。

 また、エコの推進やISOに代表される品質管理や環境対策等、製造業に対する要求は日増しに厳しくなってきていますし、多発した食品メーカーによる品質に関する不祥事は消費者の目を厳しくする一因になっています。

 このように、製造業はそもそも「ものづくり」が本業であるはずなのに、最近はそれ以外のことに気を取られる状況が続いています。その結果、更に経営が悪化するようなことがあっては本末転倒と言わざるを得ません。製造業が「ものづくり」に集中できる環境を作るためにも、生産工程のどこに問題があるのかをリアルタイムで把握し、すぐに経営レベル、現場レベルに反映できるようなシステムを導入することはもはや不可欠であると言えるでしょう。

 製造業は規模の小さな企業から規模の大きな企業までが複雑に絡み合い、つながっています。すなわち、生産工程を管理する上で、その製品の生産に関わる全ての企業が同質の生産管理を実現しないことには意味がないのです。EDIを使った企業間での生産管理の連携が図られては来ていますが、全てが完全につながるまでには越えなければいけないハードルがまだ多くあります。

 業界全体として日々刻々と変化する経済情勢やユーザーのニーズに柔軟に対応していくためにも、まずは各企業、各現場が様々な状況に臨機応変に対応出来るような「生産管理システム」を導入していくことが重要と言えます。
 古人は様々な大きさの石を組み合わせて頑強な城壁を作りました。その一部が崩壊することは城壁全体の崩壊をも意味しました。そうならぬ為にも、業界を構成する全ての企業に同じレベルの意識が必要になってきています。

2.生産管理システムとは?

 「生産管理システム」と一言で言っても、MRP(資材所要量計画)、生産計画、工程管理、品質管理、さらにはSCMまで、大小様々なシステムが存在しています。

 ただし、どんなシステムでも言えることですが、既存業務をシステムに代替する事は単純ではありません。特に素材加工から組立まで複雑な工程があり、工程内外注も珍しくない製造業においては尚更です。それもあって、規模の大きな工場等ではその現場に合わせたオーダーメイドシステムを導入するケースが多くなっています。

 しかし、いかにシステムの必要性が高いとは言っても、経費削減が叫ばれている今、システムに費やせる費用は限られています。オーダーメイドシステムはどうしても高額になるため、ある程度の規模以上でなければパッケージソフトの導入が現実的と言えます。

3.生産管理システム導入によって期待される効果

 残念ながら、自社業務に100%マッチするパッケージソフトを見つけることは不可能と言えます。しかし、パッケージソフトは大抵、様々な現場で使えるように業務を標準化した形でシステム化されています。すなわち、パッケージソフトを導入するということは、既存の業務フローを標準化された業務に当てはめる作業と言い換えることが出来ます。これによって今まで見えていなかった非効率な作業を効率化することも出来るでしょう。

 しかし、現場によっては、自分たちのやり方に誇りと絶対の自信を持っている場合もあります。そういう現場に対応するために、ある程度の根幹となる部分以外はカスタム対応が出来るパッケージソフトもあります。

 「生産管理システム」の規模の大小問わず、導入する上で重要なのはシステム化することの意味を履き違えないことです。ただシステム化することを目的としてしまうと、現場とシステム担当者の間の溝を埋めることは出来ないですし、システム導入後の混乱は避けられないでしょう。

 ユーザーのニーズが多様化したことによってプロダクトライフサイクルが短くなり、また、経済情勢の先も見えない今だからこそ、どんな状況にも臨機応変に対応し、然るべき製品を必要量だけ生産していくために必要なのがこの「生産管理システム」なのです。大事なのはその意識を現場にしっかりと理解してもらうことです。現場がシステムの意味を理解する事によって初めてシステムは機能し、柔軟な生産管理が実現できるのです。


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